1970年初頭に日本でも出版されたジョリー=ロジャー=ブラッドフィールドの「王さまのすきなピックル=パイ」という本のこと。
最初から最後までハッピーで、軽くて、くすっと笑えるユーモア満載のこのお話。
そもそも「ピックル=パイ」とは w !?
絵本表紙をみると、タルト生地の型にみどり色のなにかがてんこもりのお菓子を、へんな生きものが片手に掲げて走っているので、たぶんこれがピックル=パイなのね! と、このお話は初っ端からこんな調子で、スキップするみたいにとーんとーんと前へ走り出します。
そしてページをめくるたびに、「とても変わっていること」がどんどん出てきます。当たり前みたいに。
王さまはピックル=パイが大好物。
でもある理由で(といっても喜ばしい理由だけど)、毎日たっぷりは食べられません。
そこで、ピックル=パイを毎日心置きなく、満腹食べられる方法を思いついて、3人の王子を森へ冒険させるのです。
ここでは話の内容はまったくここからは分からないでしょうが、ストーリーはとてもスマートなもの。2〜3歳くらいからでも十分楽しめる絵本でないでしょうか。
このお話の魅力は、やっぱりかなりヘンテコで、でもご機嫌な風の生きものが、わんさか出てくるところだと思います。とても普通な調子で。
森にはガズーとか、ようせいとか、ディムドーズルとか、いろいろめずらしいものでいっぱいだ・・・ と王さまは言います。
みどりと青い色のまざった三つの頭があるりゅうが、マシュマロをこんがりと焼いている・・ マセルボーム王子は、そんな場面に出くわしたりします。
十六の足に、いろいろなくつをはいたガズー・・ ガズーって!?っという感じですが、ウェルレッド王子は、そんな生きものに出会います。
とても賢い王さまは、王子たちの連れてくるヘンテコな生きものたちをみて、手をたたいてよろこぶのです。
「すばらしい!とてもかわっている!」
この王さまのせりふが、このお話の見どころの多くを語っているんじゃないかなと思います。 ぜひとも、わが甥っ子に!と思いますが、日本ではもう絶版だそうな。。アメリカには原版、あるのかな。