木はいいなあ | 72 パターンワークス ブックレビューコラム

ジャニス・メイ・ユードリイ『木はいいなあ』

「木はいいなあ」という絵本。なんて秀逸なタイトルでしょう。

作者のジャニス・メイ・ユードリイは、今から50年以上も前のアメリカの作家です。

この時代のアメリカには、今なお読み続けられている、すばらしい絵本がたくさん出ています。すばらしい作家さんがたくさんいます。ちなみにこの絵本は、1957年にコールデコット賞も受賞しています。

わたしは木がとても好きです。なので、自然に惹きつけられるような感じでこの本を手に取りました。

邦題は「木はいいなあ」、原題は「A TREE IS NICE」。

清々しいまでにシンプルで、何となく声に出して読んでみたくなるタイトル。これって3才児でも呟けそうな一言です。

でもこの絵本は、大人のユードリイが描いている。だから、こういうやわらかい心で感じた思いを、素直に紙に落とす大人のユードリイは、いいなあと思います。ユードリイ自身が木が好きなことも、直に伝わります。

たくさんの木があれば、どれだけうれしいことがあるかしら。

たった一本木があるだけで、どれだけ毎日がすてきになるかしら。

そういったことを、最小限のことばで、ユードリイはつづります。

何度か読んで、わたしは「本質」という言葉を浮かべました。わたしは本質って何かをよく考えます。考えますが、結局うまくつかめないほうが、俄然多いです。

「木はいい」というのは、決して木の本質ではないでしょう。でもひょっとしたら、「木」と「人間」の関係における本質は「木はいいなあ」であれば、とてもハッピーな気がします。

お話の締めくくりが、わたしはとっても好きです。
読む機会があれば、ぜひ一度読んでみてくださいませ。

※表紙絵はお借りしました。

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