思い立ったらする。行く。食べる。
みたいなことを40歳、いわんや40代のもっとーにしようと思っている。
昨日から思い立っていたことは「杜若を見に行く」だ。
七十二候には夏至の中候、第29候に「菖蒲華 (あやめはなさく)」といって、菖蒲がモチーフの季節がある。
アヤメ、カキツバタ、ショウブ。
これらはとても似ているけれど咲く場所や花の付け根に違いがあるとのこと。
そこで自分の目で見て、目でシャッターを切り、なるべく印象を正確に捉えるべくスケッチをとりたいと思ったのだ。
杉浦非水も神坂雪佳も、図案をかこうと思う人間であれば、何よりもスケッチ、写生を大事にして、自然から学びなさいと言っている。
自然の身近な京都に来たからには、それを実行しないわけにはいくまい。
というわけで、杜若の名所、北山の大田神社まで自転車でプチ旅をすることに。
金曜日、AMからの仕事を終えて15時。
北山の大田神社まで、自転車で北上する。このところ運動不足だったので自転車で往復15km弱の距離はいい運動だ。
サラリーマンをしていたらこの時間に自転車でふらり出かけるなんてできなかったなあ。
三条から北山は坂道もないので意外とすぐで、30〜40分くらいで大田神社到着。
しかし悲しい哉、一週間ほど遅かったのか、杜若はほとんど枯れ行く時期で残念無念。
でも緑の匂いが濃くて、カエルが時々カラカラと鳴いて、この時期の空気を肌で感じれたことはとても良かった。
上賀茂神社にも立ち寄って、散歩しても、まだ明るくて帰りは17時くらい。さらにお腹ペコペコだったので、北大路のグリルHASEGAWAでエビフライを食べる。大きなエビフライだったがペロリといただく。ごちそうさまでした。
引っ越ししてくるときに北大路はあまり探索しなかったのだけれど、今日はせっかくなので街の周辺を歩いてみたら、とても肌なじみがいいというか、何だろう川もあるし、落ち着いているし、ご飯屋さんもいろいろあるし、カフェも多そうだし、VIBREみたいな便利な集合施設もあるし、なんか肌に合うなあここ、と思った。
三条よりこちらくらいの方が私は住みやすいんじゃなかろうか。次引っ越すことがあったら北側をもっと見てみよう。
帰り、また鴨川を南下する。
ここで右岸沿いに黄菖蒲が咲いているを見れたのが収穫。
「菖蒲華 (あやめはなさく)」のモチーフは、時期からしてハナショウブのことではないかと言われているようなので、確かに水辺に群生する花、葉の様子をキャッチできた。図案は、せっかくだから黄色で描くのもいいかもしれない。
ところで、この時期の鴨川は本当に気持ち良くて、左岸右岸にチルチルモードのひとがたくさんいる。
自転車でゆるゆる、それらの人たちを見ながら走るのは本当に心地よい。自然とニンマリしながら走る。
夕暮れ時はさらなりで、大学か高校かの部活の団体が大勢で練習していたり、大学生らが鴨川の宴らしきものを開催していたり。
コロリ寝転んだり、川を見るともなく見たり、楽器を吹いたり、なんだか皆、好きに過ごしている。そういう姿を見るのが私は好きだ。
ちょっとずつ、京都で暮らす楽しさが見えてきている気がする。