こちらは2015年に父母といった南ドイツとチェコの旅記録。
「ドイツのロマンチック街道に行ってみたい」というのは、ここ長年の母の夢、というか口癖みたいなものだった。といっても、この人はわたしよりも旅が好きな人なので、放っておいてもそのうち自分で行ったんだろうけど。
なかでもローテンブルグ・オウ・デ・タウパーには絶対行きたかったようなので、ここは旅程に加えないわけにはいかない。
ということで、フランクフルト中央駅からローテンブルグ、ローテンブルグからミュンヘンと、2日間かけてバスで移動することにした。
日本で現地のTourling Tour社の運行するロマンチック街道バスを予約。停留所はフランクフルト中央駅直結だけれど、ちょいと分かりにくかった。googleMapのピンの場所と若干違うので、前日までに下見しておいてよかった~
バスはフランクフルト中央駅を8:00AMに出発。乗客はアジア人がほぼであるうえに10人にも満たなかったw。
晴れたり曇ったり雨降ったりの空模様のなかをバスが走る。途中、なんだっていうか忘れた小さな村で一度止まり、30分ほど町散策をしたのち、12:00AM、ローテンブルグ到着。
予約しておいたゲストハウスは、とてもかわいらしい造り。ゲストハウスなのでエレベーターはなく、「ほらよ」っと部屋の鍵を渡されてあとはお構いなしであった。
荷物を置いたらさっそく町散策へ。
父と母は、ドイツ旅の前にNHKとかBSとかでやっている旅番組のうち、ドイツに関するものを一通り予習したようである。ローテンブルグにきたら、まずはシュネーバル、和名にして雪球という丸っこいドーナツのような揚げ菓子を食べる、という計画があった。
さらには、ローテンブルグはそのシュネーバルが有名なのだけれど、どの店で買うかも決定しているのである。
ということで、初めて歩く小さな町を3人であっちだ、こっちだ、と言いながら探し歩く。小さな町といえども、おいそれとは見つからないものである。
母は、「×××」という店名と「角っこにある黄緑色の壁のパン屋」という店の外観を頭にインプットしてきたようだ。ただ、ようやく映像でみたとおりの「角っこにある黄緑色の壁のパン屋」を発見したとき、店名は「×××」ではなく「△△△」であった。こういうところが、とてもかわいい母なのである。
発見さる!!
この店の、これを探して、三千里。(幸田、ローテンブルグ心の俳句)
シュネーバルを手にして、御の満の悦。
ところで、この「角っこにある黄緑色の壁のパン屋」は、BS?か何かの番組で特集されていて、母はこの店の奥さんにも会いたがっていた。何度も映像で見たので愛着が沸いたのだろう。
お店でシュネーバルを買いながら、当の奥さんに「あなたをテレビで見たわ!」と言うと、奥さんも嬉々としていた。「日本から来たのね、あの番組を見てくれたのね」という感じである。
その後店を後にして、また町をぶらぶらしていたのだが、この奥さんとはその後町で2回もばったり出くわした。奥さんいわく、「この町はとても小さいから普通に歩いているだけで、2度会うのよ」とのこと笑。
でも3回目に出くわしたときは、「You are my Luchy Parson!」と言っていた。ドイツ(もしくはローテンブルグ)では、1日に2回会うまではよくあること、でも3回会うと、その人は自分にとっての幸運の人という言い伝えがあるのだそう。わたしたちは、互いの幸運を願って、お写真を撮って、さようならをしたのだった。